エル・ハッサン・ビン・タラール王子

第25回 2008年 受賞者 ヨルダン

エル・ハッサン・ビン・タラール王子は、イスラエル・パレスチナ紛争との関わりを中心に、中東の地において、正義を伴った平和の構築にその生涯を捧げてきました。平和とは戦争のない状態ではなく、和解が達成されてこそ実現されるものであるとの考えから、彼は世界中に広がる偏見や憎悪との闘いに重要な役割を果たしてきました。人間の尊厳に対する彼の理解を支え、インスピレーションを与えているのは彼の信仰です。平和への献身は彼の人生を魂の旅に変えました。彼のすがたは他の人びとを啓発し、その足跡をたどろうとする同志を輩出しています。その声は信仰と理性の声であり、イスラームの教えと彼自身の知性に深く根差しています。彼の霊的・神学的な世界観は、他の宗教によって更にその豊かさを増しています。彼は政治や宗教によって隔絶された世界に橋を架け、あらゆる宗教における過激主義やテロに反対する活動を続けてきました。ユダヤ教やキリスト教やイスラームが持つ道徳的権威を、政治を超えた位置に高揚させるべく、彼は取り組んでいるのです。

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