原子力に関する宗教者国際会議

第46回衆議院選挙が12月4日に公示。原子力・TPP・環境問題が争点ともなった。同じ日に昨年の3・11から初めて、「原子力に関する宗教者国際会議」(The Inter -religious Conference on Nuclear Issues)が、福島県いわき市と会津若松市のホテルを主会場に7日までの4日間、開催された。趣意書

呼びかけ人は、日本キリスト教協議会(NCC,小橋孝一議長)で、昨年10月に沖縄で開催された「9条アジア宗教者会議」の参加者などが呼応し、アメリカ、ドイツ、韓国、フィリッピン、インドネシア、日本など、10ヵ国87人が参加した。出席団体一覧

4日は終日いわき市で、5日午前は、会津若松市内で現場研修会が行われた。5日午後1時から会津若松市内のホテル開会式。主催者を代表して、呼びかけ人の小橋氏が「被災現地の声を聴き、宗教者の心を持ってそれを受け止め、道を見出し、世界に向けて発信することが、私たち宗教者に課せられた責任」と述べた。日程表Time Table

午後2時から基調講演。「みやぎ脱原発・風の会に」の篠原弘典氏が「福島原発事故が私達に問うもの」と題して講演。反原発への具体的な事例に基づく指摘と警告は、参加者に感銘を与えた。基調講演Keynote Address

午後4時頃から発題1.ドイツ・カールスルーエ州バーデン環境保護役員のヴィットホフト・ミュールマン博士(プロテスタント)が「ドイツのキリスト教徒の福島大震災以前と後の原子力エネルギーの問題点」と題して講演。発題1Presentation 1

ドイツでの原子力反対運動の歴史やキリスト教会の役割りを述べ、緑の党などのエコロジカル連合設立後のグリーンパワー2010年には『脱原発からの脱出』となった政治状況の変遷などの背景を説明。自己批判的・探究的教会など神学的な問題にも踏み込んだ。

質疑応答などの後、「ストリーシェアリング 1」。会津放射能センターの片岡代表が「原発10キロの地で子どもたちと生きる」と題して報告。真宗大谷派の僧侶で、3・11後にNPO法人「TEAM」を立ち上げた佐々木道範氏が報告。佐々木氏は、いわき市から避難してきている現状と問題点を詳細に述べた。ストーリーシェアリング1(片岡)Story sharing1 (Kataoka)ストーリーシェアリング1(佐々木)Story sharing1 (Sasaki)

6日の発題2では張允戴・梨花女子大学校基督教学部教授。韓国協会環境研究所所長でもある張氏は「核のない世の中に向う出エジプトの旅路―脱核/脱原子力発電所、生命平和連帯を提案して―」と題して講演。発題2Presentation 2

張教授は、核時代の到来が持つ文明史的意味とその神学的合意を最初に唱えた米国ハーバード大の神学者ゴードン・カフマンについて述べた。

午前10時半からストリーシェアリング2として、フォトジャーナリストの森住卓氏とパックス・クリスティUSAのニコラス・メレ氏が報告・講演した。ストーリーシェアリング2(メレ)Story sharing 2(Mele)ストーリーシェアリング2(森永氏略歴)

午後2時から4時までが正式参加者によるグループ討議。日本語グループが3グループ、英語グル―プが2グループと計5グループに分かれて討議。福島から何を学んだか、などについて熱心に討議を重ねた。午後4時から各グループ討議発表があり、報告書にまとめる作業に取り組んだ。

最終日の7日は、午前日本仏教代表の祈りの後、午前9時から始まった。参加者全員で「宣言文」作成のために熱心に討議。まず英文による文案を作成してから和訳することになり、声明に関する最終確認を行い、「NO!原子力―福島からの信仰宣言」を採択した。フクシマ信仰宣言2012Faith Declaration from Fukushima 2012

同宣言は、7項目からなっており、その中の2項で「2011年に沖縄で開催された第3回9条アジア宗教者会議を覚えながら、私たちはいまここでオキナワと フクシマの人々が直面している苦しみの共通点、特に差別と人権侵害の現実を見たのです。(中略)オキナワとフクシマの体験から学ばせていただいた私たち は、『いのちが宝』であることを、改めて強く訴えます」と謳っている。

なお、総選挙後直後の17日午後、呼びかけん人の小橋NCC議長ら同会議参加者数人が総理官邸を訪問。白眞勲参議院議員と面談。同会議の「宣言」を手渡した。