庭野平和財団 『若者の貧困問題』テーマに公開シンポジウム

庭野平和財団による公開シンポジウムが3月19日、佼成図書館視聴覚ホールで開催されました。テーマは『若者の貧困問題――包摂か排除か 現場からの声』。約70人が参加しました。

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同シンポジウムは、子供や若者の貧困問題の現状を学び、課題や具体的解決策を探ることが目的です。

当日は、NPO法人「さいたまユースサポートネット」の青砥恭代表が基調講演に立ちました。青砥氏は冒頭、各地で発生した未成年による殺人事件に触れ、そ の原因には虐待や育児放棄といった劣悪な家庭環境で育ったことに加え、「学校の中退による居場所の喪失」があると指摘。さらに、その背景として貧困問題の 存在を挙げ、両親の学歴、所得と子供の貧困率の相関関係や、若者の自殺率などを示しながら、学歴や経済発展を至上とする競争社会が若者を追い詰めていると 説明しました。

その上で、自らが代表を務める「さいたまユースサポートネット」による地域若者サポートステーションや学習支援教室などの活動を紹介。心が傷つき、行き場 を失った若者が安心して集える場所をつくる重要性を強調し、「若者が一度の失敗で人生のチャンスを失ってしまう世の中にしないため、何度失敗しても寛容な 心で受け入れられる“居場所”を地域社会の中につくらなければならない」と課題を示しました。
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このあと、パネルディスカッションが行われ、青砥氏に加え、NPO法人「POSSE」の三家本里実氏、フリーライターの樋田敦子氏が登壇。認定NPO法人 「自立生活サポートセンター・もやい」の稲葉剛理事がコーディネーターを務め、「ブラック企業」問題や女性の貧困などについて意見を交わしました。
パネルディスカッション要旨はこちら