エスター・アビミク・イバンガ師

第32回 2015年 受賞者 ナイジェリア

イバンガ師は1961年、ナイジェリア・ナサラワ州で生まれました。アフマド・ベロ大学を卒業後、ジョス大学で経営学の修士号を取得。ナイジェリア中央銀行に16年間勤務し、本店国際局課長補佐、支店業務部長などを歴任しました。一方この間、「ジョス国際キリスト教伝道会」を設立。主席牧師として地域社会の貧困者や恵まれない人々への奉仕、青年や夫を亡くした女性、孤児への支援、講演活動を行いました。
ナイジェリアは1960年に英国から独立。その後、イスラームを信仰する北部民族とキリスト教を信仰する南部民族が対立し、激しい紛争を繰り広げてきました。2010年には、ムスリムが同国プラトー州のジョス近郊にあるキリスト教徒の村を報復襲撃。500人以上を殺害し、多くの女性や子供が犠牲となりました。
イバンガ師は、こうした長年にわたる紛争や暴動、悪質な事件で、社会的弱者が殺害される実情を危惧。女性や子供への殺りく行為の撲滅を目指し、女性が持つ創造性や非暴力の精神などによる紛争解決を目的に2010年、WOWWIを設立しました。以来、宗教や民族、社会階級など違いを超えた女性の連合体として、ナイジェリア国内を中心に、平和構築に向けた女性の職業訓練や社会的弱者の権利擁護、国内避難民や貧困者への援助、紛争状態にあるコミュニティー間の対話・調停活動などを行ってきました。
また、イバンガ師は畜産や農耕、建設業務などの経営を通じ、社会や経済の発展にも寄与しています。