第三回「9条アジア宗教者会議」開催される






第三回「9条アジア宗教者会議」が10月4日の現場研修のあと、翌5日から7日までの三日間、沖縄県中頭郡西原町の沖縄キリスト教学院を主会場に開かれた。同実行委員会が主催、公益財団法人庭野平和財団(庭野欽司郎理事長)が協賛。2007年の東京,2009年の韓国ソウルにつづいて二年ぶりの開催。

参加者は、韓国、タイ、香港、台湾、パキスタン、南アフリカ、フィリッピン、スイス、イタリア、カナダ、アメリカ、日本などからキリスト教、イスラーム教、仏教などの宗教者220人。開催地の沖縄からは多数のオブザーバーが参加した。

今回、開催地として沖縄が選ばれたのは、同実行委員会によれば、<過去二回の会議の結果、米国の存在がアジアにおける9条実現の大きな障害となっていることから、非暴力によって平和を作り出さなければならないという共通認識を得た>からだという。-このことから<沖縄には「非武」の伝統が元来あり、沖縄は明治政府によって侵略併合され強制的に日本の一部にされ、15年戦争の際は日本の国体護持のために捨石とされ、日本国独立の引き換えに米国の支配下に置かれ、米軍基地が存置され、「本土復帰」後も状況は変わりません>ということから、沖縄が開催地としてふさわしいとされた。

会議前日(10月4日)に現場研修が行われた。約60人が参加。降りしきる雨の中、午前9時ごろから那覇市内の陸上自衛隊那覇駐屯地内の高江洲朝男さんの「ちゅらさガーデン(美しい庭園)」を訪問。庭の一隅に平和を祈念する黒木(沖縄の伝統的楽器の三線の材料)を参加者と共に植えた。この土地は裁判の結果高江洲さんに国から返還されたもの。 このあと南部の摩文仁の丘を訪問。沖縄平和記念資料館、ひめゆり資料館などを参観。王城糸数にある沖縄戦跡「アブチラガマ」(全長270m)の自然洞窟の壕を見学して、沖縄戦の激戦の跡をしのんだ。

本会議は5日朝の現場研修から始まった。午前8時半、普天間基地が一望できる嘉数高台で関係者から基地についての説明を受けた。その後、名護市辺野古の米軍基地建設反対運動の現場を訪問し、関係者から基地建設反対運動について説明を受けた。その後、沖縄キリスト教学院大学に移動し、開会式を行なった。
そして、「9条を沖縄で実現し、9条を各国に紹介し、9条を国連憲章に書き込むこと」と「9条をすべての人の心に刻むこと」をめざし、二日目の午後からのグループ討議、三日目の全体会議などを経て、最終日の7日に「声明」(日本語英語)と韓国の参加者から提案された「済州島江汀村に平和を!」を全体会議で採択して特別声明(日本語英語)とした。

最終日の7日は、午前9時から10時半まで「声明」の討議、休憩をはさんで「声明」の最終確認を行って午後1時に閉会。
午後からは県庁を訪問し仲井真県知事あてに「声明」を提出したあと、戦後いち早く復興して「奇蹟の一マイル」といわれた国際通りを平和行進して牧志公園にて解散した。
なお、10月8日午後2時から午後4時半まで、東京・矢来町の牛込聖公会聖バルナバ教会礼拝堂で「第三回9条アジア平和会議」報告会が行われ60名ほどが参加した。
(全体の会議記録)