委員長談話「令和3(2021)年度 庭野平和財団公募助成に向けて」

公益財団法人庭野平和財団
公募助成小委員会
委員長 茅野俊幸
 
2021年、庭野平和財団はこれまでと同様に、宗教的精神に基づき平和社会実現のために積極的な取り組みを続けている人たちの活動を支援させて頂きます。本年の「助成のねらい」は昨年同様、“分断された社会の中の対話と協力”です。そのことについて少しお話させて頂きます。

2020年に始まった新型コロナウィルスの世界的流行は日本社会にも大きな影響を与えました。人々の間に経済、教育や仕事など様々な面で格差は拡大しているといわれています。そして、そのような格差が人々や社会の分断をもたらす原因となり、平和社会実現を阻害する要因の一つとなりやすいと考えられます。
庭野平和財団は、継続的な“対話・協力”がそれらの阻害要因へアプローチし、格差や分断がもたらす問題を解決するための基盤づくりに必要であると確信しています。さらに、この“対話・協力”とは、活動を実施する団体や組織内での対話・協力、活動の対象者(受益者)との対話・協力をはじめ、同様の取り組みを行っている他の団体や組織、一般市民、行政や企業といった社会の様々な関係者との間で行われるものであると想定しています。

ところで、皆さんが活動を実施される際にはまず、解決したい問題の原因を探るために調査と分析、或いは既存のデータを基に、問題解決のための課題を設定されると思います。そして、その課題を解消するための仮説をたてて、必要な人材、財源を確保し、具体的な活動を調査、企画、事業実施をされていることと思います。一方、社会は感染症のパンデミックや自然災害という緊急事態時だけではなく、常に変化しています。そのため、新しい時代には新しい問題とその解決のための課題が我々の前に現れ、それらの解決のための新しい仮説が必要になってきます。

庭野平和財団はこのように、問題の根本的な原因を調査と分析から発見し、仮説を導入し、問題解決のために継続的に活動されている団体を応援します。特に、だれも確実な手法や明確な仮説を持ちえない時に、それらを確立するため積極的に社会実験されている団体を応援したいと強く思っています。

(以上)