庭野平和賞奨励賞詳細
エリサべット・モレーノ・バルコ氏(Ms. Elizabeth Moreno Barco) 国 籍: コロンビア 生年月日:1968年生まれ 宗 教: カソリック 所 属 等: 人権擁護活動家コーディネーター、チョコ連帯民族間フォーラム
贈呈理由
受賞メッセージ
エリサベット・モレーノ・バルコ氏(通称「チャバ」)は、コロンビアの長期内戦により避難を余儀なくされたチョコ県の避難民当事者で、長きに渡り、地域の人々の間で、平和と人権のために尽力しています。2016年の和平合意にも関わらず、チョコ県は今も内戦地帯で、多くの武装組織が活動していますが、モレーノ氏は地域のアフロ・コロンビア人コミュニティを代表し、平和の実現に向けた活動を行なってきました。ACADESANやFISCHなどの市民団体を率い、武装組織との交渉や避難民支援に貢献しています。UNHCRの「ナンセン難民賞」の受賞や国連安全保障理事会での演説は、特筆に値します。そして、現在、コロンビア政府の和平遂行機関にも参加しており、彼女の勇気ある実践とそのリーダーシップは、国内外で高く評価されています。
当サイトの内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。
ムスリム弁護士センター(Muslim Attorney Center (MAC)) 国 籍: タイ 設 立:2004年 人権擁護のための弁護士組織 宗 教: イスラム教
ムスリム弁護士協会(MAC)は2004年に設立され、タイ深南部、特にイスラム教徒が多数を占めるヤラー県、ナラティワート県、パタニー県の3県に焦点を当て、イスラム教徒や他の治安問題に直面する人々に法的支援を提供しています。タイ政府の同化政策が民族間の緊張を高める中、MACは法的支援と同時に、宗教間対話を推進し、地域住民の自尊心を高める活動にも注力しています。国内外の人権擁護ネットワークに参加し、人権を抑圧された人たちの救済に無償で取り組む人権弁護士を養成しているほか、「平和のための市民社会会議(CAP)」の事務局担当団体として、市民に非暴力的手段による紛争解決のための訓練もしています。不当な人権侵害に苦しむ人々の現場に立ち、その苦しみの解決に法の専門家として取り組む活動が高く評価され、第3回庭野平和賞奨励賞を受賞しました。
ミンゾー氏(Mr. Myint Zaw) 国 籍: ミャンマー 性 別: 男性 宗 教: 仏教 活動分野: 環境と平和 ※氏名について:ミャンマー人の名前には姓に相当するものはなく、ミンゾーの2音節が名(personal name)であるので、本財団での日本語表記においては、ミンとゾーの間に・を入れることなく、ミンゾーと表記する。
ミャンマーのイラワディ川デルタでのミッソンダムの建設計画は、自然環境の破壊、および河川流域の環境資源に依拠して暮らす人々の生活や文化の崩壊を招く危険があり、政策と人々の間で深刻な葛藤が生じていました。イラワディ川デルタで生まれ育った彼は、人々の認識を高めるため、流域住民の写真をとり、ダム建設についての記事を執筆するほか、アートギャラリーを利用し、アーティストや作家、詩人、ミュージシャン等と共同して、ダムの影響を視覚化できる連続した美術展を開催、また教育資料を作成して配布するなどし、自然環境保護と民主主義に関する平和的でユニークな取り組みを行ってきました。
現地での贈呈
受賞者の活動
ティック・タム・チー師(釈心智) Rev. Thích Tâm Trí 国 籍: ベトナム 性 別: 女性 宗 教: 仏教 所属組織: 大恩寺(ベトナム寺院)住職 一般社団法人 在日ベトナム仏教信者会会長
ベトナムで生まれ、幼少期に仏教僧として出家したタム・チー師は、その後、日本の大学院にて博士課程(仏教学)を修了し、浄土宗寺院にて修行、埼玉県本庄市に自身の寺院である大恩寺を開山しました。日本に滞在する多くのベトナム人の窮状に心を痛め、困窮するベトナム人の物心両面の救済に身命をかけて奔走しています。在日ベトナム人にとって、タム・チー師とその活動は、暗中の燈明であり、心身の拠り所となっています。彼女と大恩寺はベトナム人の駆け込み寺と呼ばれています。
アリサ・コトルンナダ・ムナワロ・ワヒド氏 (Ms. Alissa Qotrunnada Munawaroh Wahid) 所属組織: グスドゥリアン・ネットワーク 肩書き: ナショナル・ディレクター 国 籍: インドネシア 生年月日: 1972年 宗教/信仰: イスラム教
第4代インドネシア大統領である故ワヒド大統領の長女として生まれ、父の遺志を継承し、「多元的イスラム」「寛容のイスラム」をインドネシア社会に浸透させるべく、「グスドゥリアン・ネットワーク」を設立。国内過激派による偏見と抑圧にさらされる少数派宗派の権利を擁護し、企業による土地の収奪や生活環境の破壊にみまわれる農民の支援に奔走するなど、イスラムにおける人道主義を社会活動において具現化し、全国的な運動へと発展させてきました。
ジェニファー・リアン氏 (Ms. Jennifer Liang) 所属組織:「アクション・ノースイースト・トラスト」(The Ant)、「アイデア」(IDeA) 肩書き:創設者・共同代表(The Ant)、創設者・プログラムリーダー(IDeA) 国 籍:インド 生年月日:1972年生まれ 宗教/信仰:ヒューマニティー
民族的な政治的対立により武装闘争が繰り返されるインド北東部アッサム州西部のボド地域にて、The Action Northeast Trust(The Ant)を設立し、非暴力の信念を胸に、貧困撲滅に向けた農村開発や職能訓練、女性の人権擁護と地位向上、暴力的環境下にある人々の心身のケアに取り組んでいます。また、紛争解決のトレーニングや組織化を住民主体で実施し、人々の平和醸成能力の獲得を促進させ、地域の平和の土台を創り上げてきました。
ルキ・フェルナンド氏 (Mr. Ruki Fernando) 肩 書:人権活動家 国 籍:スリランカ 生年月日:1973年生まれ 宗教/信仰:カトリック
アジアで最も長い内戦の1つといわれたスリランカ内戦の中、国際青年キリスト教学生運動のアジアコーディネーターなどを歴任し、現在はフリーの人権活動家として活動。民族の違い(シンハラとタミル)や宗教の違い(仏教とイスラム教)から多数派と少数派、敵味方に分断される現場において、反政府側の民族として敵視・抑圧されるタミル人や少数派からも疎外されるイスラム教徒の声に耳を傾け、救援と人権擁護に取り組んでいます。同時に、民主主義の醸成を図るネットワーク形成に尽力するほか、戦下で生じた行方不明者の捜索活動の支援を続けています。